シンポジウム@京大 |
この土日は京大で開催されたシンポジウムを聴きに行ってきました(PDF資料)。 自分の研究領域と直に結びついている訳ではありませんが、知的刺激を受けモチベーションを高めるために参加。 今回のシンポジウム、日本側の報告の多くは、当然のことながら昨今の司法制度改革に絡む事項が分析・紹介される報告が主でした。 一方でアメリカからの研究者陣の報告の特徴としては、Regime Politics論を採用する方々が集まっておられたことが挙げられます。 論点としては、所謂「応答的法」の担い手としての司法へ期待が高まった背景や、また、法制審議会との関係などを初めとして、最高裁の性質や権能についての検討が多かったように思います。 英米法の門外漢として私が興味深かったのは、所謂ウォーレン・コート時代の諸判決に関して、一時期の日本ではこれが非常にリベラルであると高評価されていたことについて、(歴史的背景…etc.からの分析を見た上で)疑義が呈されていた点でしょうか? 確かに、私が学部生時代には、授業の中ではウォーレン・コート時代のアメリカの裁判所の態度を評価して紹介されていた記憶があります。 それから、法制審議会の法令の所謂「事前審査」に関わる議論も勉強になりました。最高裁の違憲審査制度についての考察は多いのですが、それと比較すれば法制審議会の方は若干少なめでしたので。 「日本には法学部があるので、アメリカのように特別な方だけが法に関する知識を独占している訳ではない」と、この点が好意的にアメリカで評されていることも紹介されていました。 この指摘自体は他の学会などでもよく聴く話なのですが、そうすると専門家/非専門家の間でのコミュニカティブな関係性だとか情報の共有だとかコンセンサスの形成だとか…etc.そういうところも日米では(理論的レヴェルでも実践の面でも)差異があるような気もします。ただ、この点については今回は主たる議論の戦場にはなっていませんでした。きっと別の機会で採り上げたのでしょうね。 繁忙期なのか、参加者がやや少なめだったのが少し寂しかったです。少人数ということで偉い先生方とお話しできたのは良かったのですが…。 一方で、たまたま、法教育や違憲審査制について研究している方が居たこともあり、同僚が多数聴講に訪れていたりも。。。皆さん勉強熱心でこちらも身の引き締まる思いです。 ■
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by vla_marie
| 2007-03-18 23:42
| なるほど
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