著作権切れ廉価DVD販売に関して |
東京地裁で判決が出たようですね(産経)。文化庁は、旧法の起源の切れる「平成15年12月31日午後24時と、改正法施行の16年1月1日午前0時は同時で、改正法が適用される」として保護機関が70年に延長されたとして解釈・運用する予定でしたが、裁判所は、これを認めず著作権切れを言い渡した格好です。 この著作権の延長は、ディズニーをはじめとした外圧によって為された節が強いのですが、延長の是非が議論されていた改正法の制定当初から、「これではいつまでも際限なく、著作権保護期間を延長できることになる」として批判の強いものでした。当然私の記憶にはないのですが、もともと30年だった著作権保護期間が50年に伸ばされた過去があるそうです。米国でも、レッシグなどがこの著作権起源の引き延ばし作戦に批判的な論陣を貼ってましたね。 今回の東京地裁判決は、著作権の保護期間延長に関わる判例のリーディング・ケースとして大きく採り上げられそうです。雑誌をチェックせねば! ところで、著作権の保護期間の延長を求めている映画会社側(PPC)の言い分の中に、「劣化コピーのパブリック・ドメインの商品が出回ることで、映画そのものの質が損なわれる」という旨の発言がありました(7日付けの産經新聞本紙30面)。これってどうなんでしょう? というのも、映画に先駆けて、著作権切れ→パブリック・ドメインの商品が叛乱している音楽業界ではマスター・テープではなくSPやLPからおこした音盤があっちゃこっちゃで売られています。これらは、必ずしも音質が悪いものばかりでは無いような気がします。 また、著作権保護期間を延長したからといって、映画会社がフィルムをちゃんとDVD化するつもりがあるのかどうか…甚だ疑問ですね。現行でも、「名作!」とは言われていても、ミニ・シアター系のマニアックな作品で未だにDVD化されていないものはわんさかありますし…。いっそのこと、パブリック・フリーにしてくれた方が、売れ筋から外れた隠れた名作(ゴミ作品も)が次々とDVD化されて、映画を撮った人も見る人にもええのではないかと思うのですよね。 まぁ、映画会社側は高裁に抗告するでしょうけど、なかなか興味深いです。 |
by vla_marie
| 2006-07-12 22:02
| なるほど
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