生命倫理と政治 |
本来議院での通過が厳しい法案が、政治のパワー・バランスの関係で通過するようなケースを我々は目にしてきています。近時では昨年の郵政民営化の例などが代表的ですが、こと、生命倫理に関わる様なものも例外ではありません。 例えば、「児童虐待の防止などに関わる法律」(平成12年法律第82号)があります。児童虐待問題を重く見た超党派の議員が働きかけを行なったにもかかわらず、当時与党にあった自民党の一部保守的な議員らは「親が躾けをする機会を失う」として、立法に乗り気ではありませんでした。ところが、選挙が近づくにつれ、「この問題を取り上げないことは、野党に対してポイント稼ぎを許すことになる」との危機感が自民党内に流れ、結果として法制化が行われるに至った経緯があります。 さて、今年は小泉首相が任期継続をしないことを明らかにしているため、次期自民党総裁選が注目されていますね。 本命の安倍氏に対し、同じ森派から福田氏が立候補の意欲をにじませ、さらに、それに対して派閥のボス森氏が「候補者を一本化しない」と発言(日刊スポーツの記事)。先に小泉首相も「候補者一本化の意思無し」としていることなどから、がぜん総裁選が賑やかになってきました(読賣新聞の記事)。週刊誌には嬉しい話かも知れませんね…、ネタが増えて。 谷垣、麻生両大臣も総裁選出馬意欲を示していますが、河野太郎議員も出馬を表明( ̄□ ̄;)ナント!!と報じられております(朝日、読賣、日経)。 河野太郎と言えば、現法務副大臣であり、臓器移植法改正の推進者として有名です。流石に臓器移植関連の問題について、郵政民営化で小泉首相が採った様な「豪腕」を振るうことは無いでしょうが、彼が首相になれば移植法改正派にとってはやはり弾みがつくでしょうね。政策立案などに際しての委員会の人選に影響力を及ぼすこともあり得るし…。 まぁ、実際問題として、弱小派閥である河野グループからは麻生氏が既に出馬の意思を固めていることなどからして、総裁選に必用な20人の推薦人を集めること自体が厳しい状況ではあると思うのですが…。うーむ(゚∠゚);;; |
by vla_marie
| 2006-05-13 03:33
| なるほど
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