『コンタクト』 |
あれですね、『フライト・プラン』のジョディ・フォスターの出ているSF作品(これ)。実はHDDレコに録画したまま(見る暇がなくて)いつまでも放置したままだった…。内容については(もう多くの方が書かれているが)、地球外生命体との遭遇というプロセスを通して、「科学」と「神」との関係をテーマの主軸に置いた作品。 正直、娯楽映画として、日本でこういった作品が受けるとは思えない。西洋人には、神を人存在の外部にあって個人のアイデンティティを保証するものとして重要視するキリスト教的宗教観があると言われている。また、中絶や進化論やバイオ研究などを巡る議論が大統領選で為されているのもそれを裏付けるものであろう。(一般論としてであって、原始キリスト教と今日のキリスト教では、その世界観・宇宙観にかなり相違があることについては留保しておく)。他方で、日本人(とりわけ現代の日本人)の多くは特定の宗教観を持たない者が多い(歴史的にも一神教の文化が大勢を占めていたわけではない)-では現代の日本人のアイデンティティを支えるものは何か?という疑問について考えが無いわけではないが、長くなるので略-。こうした温度差もあって、作品中で政治的闘争にも発展している神の現存性に関わる「深刻さ」は、いまいち非キリスト教圏の人々には伝わり難いのではないか…と思われる(アメリカで宗教の問題のセンシティブさを知る最近の例として、昨年末の「公立校でのID論違憲判決」などを参照)。少なくとも宗教が政治的問題と成り得る土壌を有しているか否かによって、作品から受ける印象が異なって来る可能性が大いにある。それはこの作品の結末の評価にも結び付くだろう。 ともあれ、映像自体が非常に印象的かつ効果的に作られており、巧みな演出は見るべき所が多い。ジョディの気違いじみた熱演に対しては、賛否両論あるのだろうが(笑 |
by vla_marie
| 2006-02-23 07:47
| CD,DVD
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