人気ブログランキング | 話題のタグを見る
excitemusic

くわぁんりんの日記
by vla_marie
ICELANDia
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
りんく
marioの部屋
後輩のブログです。可愛らしいです。北朝鮮(ry
のうてんきな舞々の毎日
後輩で、あのY氏の上司のブログ。就職オメ☆(祝
T957 CRAZY
私は魔法使いですが、彼女はイリュージョニストだそうです。
penepene nikki
ついに、学校の先生に!
飛び出し禁止
セレブOLの後輩です。飲酒→終電逃す→満喫のコンボが溜りません!
MY SYMPHONY
後輩のドラえもんマニヤのサイトです。
animate*life
後輩のVn使いのnixie君のブログです。
拜金女郎
大学時代の友人の奥様のブログです。
よいこのにつきちやうFC2
FC2にも進出。
最新のトラックバック
検索
タグ
その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


『医療の倫理』

『医療の倫理』_b0035832_21514152.jpg 昨日は所用で鳥取市へ。ご覧の通り、雪が多いです。車は無謀なので、列車で向かいました。
 喫茶店で高校時代の友人にばったり会ってみたり、思わぬ収穫のある帰省でした。

 さて、道中の車内で星野先生の著書を読み返しました。1991年刊(bk1)。



 基本的に著者は、患者の「自主」性を重視する英米のバイオエシックスの本流を取り入れながら、そのままではわが国では受け入れ難い部分もあるので、家族主義的色彩の強い日本風にアレンジして採り入れようというスタンスです。
 "autonomy"の訳語に「自律」ではなく「自主」を選んでいる辺りが、特徴ですか。(p.85)

 本書は20年近く前のものですが、私がなぜ今読み直したかと言えば、星野先生が献体法の成立に活動をされていたからで、その辺りの話は第7章に出てきます(p.135以下)。特に興味深いのは、「なぜ日本では遺族の承諾がこうも重きをおかれるのか?」と題した部分(p.150以下)。
 アメリカは1966年のUniform Anatomical Actで、これまで近親者が遺体の処分権を持つとしていた従来の慣習法を改めて、自分の遺体の処分法を生前に決定することができるようになった。中には、遺族の反対があっても本人の遺志を優先する州まである。一方、日本では献体登録の際に、近親者・親族の同意書名等が必要である。
 こうした献体を嫌がる日本の風潮について、「献体の意思表示を生前に明らかにされた個人の遺志を黙殺することが、故人に対する冒瀆や侮辱であるという視点に立てず、個人の人権の侵害とも人権蹂躙とも考えようとしない日本の社会に問題があるのではあるまいか。」(p.152)とかなり辛辣な批判が載っていたりします。

 こうした死後においても自己決定を優先する考え方は他にも出てきていて、例えば、臓器移植の問題については、家族主義的な日本の状況からして、導入段階ではコントラクティング・アウト方式をとりつつ、ドナーカードなどが普及した時点でコントラクティング・インに制度変更する提案がされています(p.180)。
 20年が経過して、現実の臓器移植法とその改正は筆者のオススメと逆の展開となっているわけでして…、結果として日本では、”死後の”遺体に対する「自主」とか「自律」とか「自己決定」は根付かなかったのかもしれません。
by vla_marie | 2011-01-28 21:55 |
<< 臨床腎移植学会、病腎移植の演題... 人体展の標本は遺体→死体解剖保... >>