『安楽死のできる国』 |
結局グリーンピースはカレーに投入されました。見ての通り、給食のアレ。 先日古書店で安楽死本を数冊購入したのですが、その中で最もライトだったのがこの本だったりします(bk1)。内容がライトなんじゃなくて(ヘヴィですね)、文体や深さの点でライトってことですよ。2003年刊。 本書でも触れられていますが、執筆・出版が川崎協同病院事件で医師が逮捕された時期(2002年12月)に近いので…結構売れたのかもしれません。この事件、東京高裁控訴審判決については各種資料がありますが、まーとりあえず新聞記事でも(読売)。ちなみに、判決を不服とした医師は上告しています。 本書は、オランダの安楽死法を中心に安楽死法制化の経緯やその内容、またオランダという国柄を紹介したものです。著者の三井氏は読売新聞の記者。一般向けに平易・簡潔な記述になっています。ジャーナリスティックな調子と、制度の内容を概括し過ぎる嫌いはありますが、新書なんで仕方ないか。 取材先の医師から、安楽死の制度化の4条件を聞き出していまして、「1).だれもが公平に高度な治療が受けられる医療・福祉制度、2).腐敗がなく信頼度の高い医療、3).個人主義の徹底、4).教育の普及」(p.60)が挙げられていましたが…そのままこれを受け入れるなら日本国内での安楽死法制化は、たぶん問題有りになりますね。医療不信もさることながら、高齢者や障害者の福祉・介護保険制度は…最近マスコミとかそっち関係の専門家からは批判されてばっかりですね(実際はそれなりに満足している方も多いのかもしれないけれど)。 ざっと読む限り、オランダ国内にも賛成/反対論があることや、安楽死を率直に求める患者・団体と医師側の困惑・葛藤など…オランダも一枚岩ではないようです。でも、反発しあって溝を深めるでなく、個人の尊重に照らして妥協点を見いだすのは国民性なのかしら。 J学会から報告について概要を来月までに送れとメールが。ここのところプロジェクトが数本並列で動いているので、結構大変です。 梅雨の時期になって、また鼻炎も悪化を(悩。集中できない…。 |
by vla_marie
| 2008-06-03 23:51
| 本
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