生命倫理学 mit. 宗教とか +メモ |
本日は、エンゲルハートの外書講読会。 読み進めて行けば行くほど論理構成に穴があるように思えて来て仕方がありません(泣。 彼は、諸々の問題に対してsecular/content-fullという区分けを設けて、secular(非宗教的)なカテゴリーのものについては倫理的判断可能という立場を採るのですが、その区分け自体行けてるのかどうか正直自分には疑問です(彼にとっては終末期医療の問題すらsecularだったり!)。 米国の場合、中絶論争などに代表されるように、生命倫理問題と宗教との結びつきは非常に強いわけです。宗教上の問題となれば、なかなか解決が難しい部分(論者の間に比較不能な価値(?)が横たわりますし…)があると。 そんな中で、エンゲルハートは「これは非宗教的だから、落としどころがある問題なんよ」ということにしたいのかもしれないのですが…。 さて一方で、生命倫理学に対して宗教界の力が弱いという日本があります。 「生命倫理学×宗教」というテーマでの報告も珍しいのか、先月の生命倫理学会のシンポジウム「死生の文化と生命倫理」が今頃報道・紹介されています(読売(大阪))。 記事は現世社会の「欲望」に鍵がある、という形で纏めていますね。 その他ニュース・メモ。 ここ最近、iPS細胞について、研究開発者からも「ES細胞の研究も平行して行う必要」が説かれています(AFP通信(11/29)) iPS細胞の説明についてはコチラ。 紙面を繋ぎ合わせて解説しているサイトもありますな(ココ)。 iPS細胞の発見のおかげで急速に輝きを失いつつあるように見えるES細胞研究ですが(裏番組で、私自身の論文も相当修正を余儀なくされていたりも…鬱)、文科省サイドでは「ES細胞研究目的でのヒト・クローン胚研究容認」と作業部会で指針のとりまとめを結論付けたと報道アリ(読売、朝日、産経)。 政策決定において(宗教はもとより)倫理よりも、産業界の力が強い我が国ですし、想定の範囲内の決定ですね(投げやり。 P.S.ちと古い記事になりますが、レディオヘッドが「好きな価格でアルバム買ってよ!」的な商売を始めたんですよね。 そのビジネス・モデルの背景について纏めた記事があります(日経IT+)。 なかなか興味深い。 |
by vla_marie
| 2007-12-04 19:52
| なるほど
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