『僕に死ぬ権利をください』 |
フランスで安楽死法制化論議に火をつけた有名な事件の主人公、ヴァンサン・アンベールの著作(bk1)、というのが正確な表現かは分かりません。なぜなら、本人は事故の結果四肢が麻痺していたのですから。 辛うじて動く右手が彼の唯一のコミュニケーション手段。これを使って(当時の)シラク大統領に「死ぬ権利」を求めた手紙を送ったり、助けを借りてこの本を”書いた”ということです。 後に母親と医師の助けを借りて安楽死(尊厳死)を決行、2003年9月26日死亡(この本の公刊が25日)。邦訳は2004年となっています。 当時は結構話題になった事件でしたが、ここ日本では、安楽死・尊厳死に興味の無い方には忘れ去られているかもしれないです。というか、射水市民病院の件で盛り上がった尊厳死法制化の流れも、なんだか停滞気味になっている気が…。 書評は既にあちこちにあります(読売新聞の)。 ちなみに、このヴァンサン・アンベール事件(とMalèvre事件)が契機となって盛り上がった安楽死議論は、結局、医師-患者関係での合意に基づいた「消極的安楽死」を合法化することで2005年に一応の決着をみました。しかし、その後に「積極的安楽死」を求める運動が起きたり(参考)、07年のロワイヤルv.サルコジ大統領選でも話題の一つになるなど、まだ議論はくすぶり続けている感はしますね…。 たまたま古書店で見つけて買ったのですが、重い内容が若者ならではの軽い文体でサクッと読めるのがなかなか却ってハードです。寝る前に読む本じゃないな…。 そういえば、ちょっと前に日本救急医学会が厚労省指針とは別の「延命治療中止基準」をまとめていましたね(東京新聞)。 まぁ、こちらでは国民的に議論が沸騰…ということにはなってないようですが。。。 ちなみに、あのオジー・オズボーンも安楽死賛成派ですよ(MTV JAPAN)。 一昨日から酷い口内炎でモノが噛めなくて難儀しております。 ここ最近ろくなものを食べていないから…という説が有力ですが、週末までどうにかこうにか乗り切りたいと思います。 |
by vla_marie
| 2007-10-12 06:39
| 本
|
<< アナム&マキ live | 【300日規定】法務省通達が長... >> |