ケネス・ブラナーの『魔笛』 |
モーツァルトの作品を、英国の演劇俳優が映画化した話題作。 ほんとは違う映画を見る予定だったのに、上映時間に間に合わず代わりに見ました(公式Web)。 正直、全然期待していなかったのだけど、これは面白いです。 特に『魔笛』をオペラで見たことがある方にこそオススメ。 モーツァルトの世俗性だとかコミカルな部分に光を当てて、『魔笛』のエンターテイメント性をブラック・ユーモアたっぷりに描き出しています。パパゲーノの馬鹿っぷりがほんと笑えます。 もはや、これは映画ではなく、「新演出」と言った方が適切な気がします。 逆に、「オペラって見るの大変だけど、映画なら最後まで見ることができるかな?」という安易な気持ちで見るのは…全く駄目だと思います。 なぜなら、(1).基本的にオペラの筋を踏襲しているため、2時間半も上映時間がある、(2).ジング・シュピーゲルの様式をそのまま使っているので、オペラを見ているのとそう変わらない、(3).モロ現代演出(舞台設定が第1次世界大戦時の欧州)なので、全くの素人にはお薦めできない、からです。 また、過度にモーツァルトに入れ込んでいる方にもお薦めできません。 悪ふざけの過ぎる俗っぽい描写に、寛容で居られないと…楽しめない箇所があるので。 気になる音楽は、ツェムリンスキーのスペシャリストとしてつとに有名なジェイムズ・コンロンがタクトを担当しています。 メリハリの利いた快活な序曲が凄まじく、スピード感のある映像と巧くシンクロしていました。 歌唱陣は…まずもって英語歌詞なんですよね。 これは違和感あるので、ちょっと慣れるまで時間がかかりました。 本作は良い意味で「期待外れ」だったのですが、映画の帰り道に久々に立ち寄った拉麺屋。これは、悪い意味で「期待外れ」でした。 明らかに味が落ちていて鬱。。。 |
by vla_marie
| 2007-08-01 23:53
| 映画
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