生命倫理についての世論調査@フランス |
ずいぶん前の記事です。7日のLe Monde紙より(リンク)。 生命倫理法改正に絡んでの第1回世論調査がフランスで行われ、結果が公表されたとのことです。 実施期間は2006.12.19→2007.1.29にかけてで、18歳以上のフランス国民1,086名が対象です。 4人に3人以上が、「養子を取ったり子供を諦めるよりは、生殖補助医療をつかうべきだ!」と考えているとか、「夫の死後、凍結精子によって寡婦が妊娠するのもOK。」と46%の方が考えているとかなんとか、色々データが出ています。 ただ、結構意見の不一致が見られる部分が多く、「統一的見解は未だに構築段階にある」との見方を生命倫理庁の方ではしているようです。 とりわけ、一致が著しいのは「年齢」に関する事項だったようです。 被験者の91%は、50歳以上の女性がAMP(生殖のための医学的補助=生殖補助医療)に恩恵を受ける事に明らかに反対しており、また、72%は50歳以上の男性がAMPに関与するのも好ましいとはしていなかったそうです。さらに、46%は40歳以上の女性がAMPに頼るのも好ましくないとしていたとのことです。 ここらへん、EUの中でも多産で有名なフランスと、高齢出産と少子化が著しい日本とでは結構温度差が出てくるような気がしますよね。 元々「自然な生殖の補助」としてAMPを位置づけたフランスで、「40代の妊娠なんて!そんな事に手を貸せないわ。」という風潮が割と強いのは分からんでも無い気がします。一方で、晩婚化が進む日本では、「40代にAMP?しょうがないんじゃないの?」的な意見が多そう。 まぁ、なかなか興味深いです。 とは言え、日本でこのようなアンケートを実施した場合比較できるかって言うとできないわけで(調査方法と調査対象が違うので)、そこら辺どうにか賢く比較できるような調査を政府や政府から研究資金を受けているグループはやらんのだろうか〜と期待してしまいますよ。 自分は統計学の専門家ではないので、こういう調査をやれと言われたらキツいのですがね…。 |
by vla_marie
| 2007-02-20 05:17
| なるほど
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