赤ちゃんポストに嬰児を入れることが保護責任者遺棄にあたるかもしれないそうで… |
イベントの絡みでここ1週間ほど、ニュースから遠ざかっていました。 宇和島の臓器売買事件を巡っても新たな事実が色々出てきたようですが、「おや?」と思ったのは、”赤ちゃんポスト”の記事です(9日付の読売(九州版)、9日付の読売(全国版)、9日付の朝日新聞、9日付の毎日)。コレ、結構有名な制度なんですけど日本でやるとは思いませんでした。 毎日新聞の記事上で、板倉先生が慎重論を唱えておられますが、確かに法的には微妙な制度ですね。制度の評価については毎日新聞を見ると…。 > ドイツでもいまだに法的な位置付けがあいまいで、設置以後、捨て子が増えたというデータがない一方、保護者による乳児殺害が減ったというデータもなく、評価の是非は難しいという。 とか書かれています。実効性に関するデータが無いって…。 ドイツの議論は私は詳しくありませんが、そもそもドイツと日本とでは社会的環境が違うことには留意する必要があるように思います。 元々中絶が厳しく制限されているドイツでは、望まない嬰児を引き受ける施設や里親制度などが発達していたことがあり、赤ちゃんポスト設置についてもそれを支える制度面でのバックボーンがあったと言われています。一方で、中絶に関して世界的に見てかなり緩い規制しか持たない日本では、比較的に見て里親制度の普及はあまり芳しくないようです。つまり、制度面でのバックボーンが弱いと思われます。このような中で、いかに嬰児の引き受け手を見つけるか、そしてこのシステムが全国に展開できるものなのか…少し疑問がありますね。 また、既に新聞各紙が報じている通り、ドイツにはキリスト教を中心とした精神面でのバックボーンもありますね。この熊本の病院もキリスト教系の病院のようですし…。 また、法的には赤ちゃんポストへ嬰児を入れることが保護責任者遺棄にあたるかどうかについては、県警側では一応大丈夫と見ているようですが、法務省の側は個別のケースで対応するとして、慎重な姿勢を見せているようですね。 赤ちゃんポストの設置自体が保護責任者遺棄罪の幇助にあたるかどうかも、懸念されているようです。批判的な投稿もありますね(ライブドア・ニュース)。 何にせよ、倫理的・法的にはまた新たに新しい議論を引き起こしそうです。 追記:学会の打ち上げも相当盛り上がったと聞きました。自分も行けばよかったかな…。 また、学会の来場者数も400 overだそうで、地方のイベントとしてはかなり集客できたと思います。いやー、よかったよかった(笑。 |
by vla_marie
| 2006-11-13 14:26
| なるほど
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