一大イベント終了 + 医療費削減議論について、思ったこと |
終わりました。でも、まだいくつか片付けが残っています(月曜にやります…)。 参加してくださった皆さん、手伝っていただいた皆さん、ほんとにありがとうございました。色々不手際があったりしてご迷惑をおかけしましたが、皆さんの寛大な心によってつつがなく終えることが出来ました。 写真は大学本部の内部です。6階まで吹き抜けの構造になっています。 ここには普段一般の学生が入ることは殆どありませんね。 コンクリートと(人工)大理石を基調とした質実剛健たる建築ですが、実は一部の大理石に見える部分はベニヤ板に特殊な塗装が為されたものであることを…発見してしまいました。近づいて叩いてみないと、見分けでは分かりませんでした。。。 今回の学会等でも兎角先端技術の華々しい側面が採り上げられることが多いのですが、意外に身近なところでも新しい技術は活かされているんですよね。大理石パターンの塗装等はまだしも、「多種多様な新技術の中には議論の遡上に上ることがない様々な法的・倫理的問題を孕んだものも色々あるんだろうな…」とか思いながら裏方の作業をしていました。 今回の学会、私のところはホスト校だったので色々作業ばかりやっていて、自分の興味のある報告を聞くことが出来ませんでした。 ちょうど万波事件が取沙汰されていた時期で、その問題をダシに色々な話題が論評されたり、主張が為されたりしていましたね。 たまたま聞くことができた一つの講演が、「医療のビジネス性」をテーマとしたものだったのですが、なかなか面白いテーマ設定でした(これも全部聞けませんでした…)。 ところで、ここで交わされていた議論として、多少疑問点がありました。 皆保険制度とビジネス性の話を医療の公共性-市場性の枠組みで捉えて、肯定的・否定的に論じる主張はある程度分かりやすかったのです。ただ、そこに医療費削減の問題が入ってくるものがありまして(主として医療費削減への反対論)、それはいまいち良く分からない点がありました。 というのも、医療が一種の公共事業であれば(ex.医師と同等の技量を持っていたとしても、医師免許を持たないものが医療行為を行えないことを考えよ)、その医療費の決定が公共的に為されることが望ましいという考えに反駁しがたいと思うのです。 医療費削減が議会・内閣主導で行われているとすれば、それは選挙を通じた国民の意思決定とも採れるわけですから、医療費の増額のみならず、たとえ医療費が削減されようともその決定には正当性があるように思います。 福祉国家的理念から即ち、医療費の不断無き漸進的増額を主張する方もいらっしゃるかと思いますが、これも価格決定が公的に決されるべきことを否定はしないでしょう? となれば、公共的な価格決定のプロセスの中に潜在する瑕疵を突いて、「今の医療費の削減議論は独断的でおかしい!」等の主張を採る方が、論理の整合性を得やすいと思うのですよ。 例えば、中医協のメンバーの選定や議事の進行が民主的でない等という主張を持ってするとか。 以上は、医療費の削減決定に至るプロセス上の公共性の問題ですが、もう一つは削減手法の公共性の観点もあるかと思います。 細かい説明はしませんが、医療費削減のために盛り込む手法(医薬分業・混合診療・薬価…など)自体に公共性の観点から問題があると言う主張はある程度説得力を持つのではないかと思います。ただ、これに対しては公共性に問題がない手法なら医療費の削減もアリと反論もあるかと思います。 また、ここでは、問題のテーマは「削減か否か?」ではなく、「いかにして削減すべきか?」というものにシフトしていくかと思います。これは、医療費削減への反対がまずありきという方には、あまり魅力的ではないかもしれませんね…(大病院や薬剤メーカーなど)。 整理してみれば、基本路線として医療費を削減するかどうかという主たる問題は公共性の観点から見たとしても、決定のプロセスが担保されていればなかなか反駁しにくいのではないか?一方で、削減の手法については反論しやすいのではないか?(しかしそれは、削減反対論者の攻め落としたい本丸からは遠い議論である)と思ったわけです。 もとより、医療経済学は私の専門外なので、基礎的な情報しか持ち合わせていないので…、この思いつきが正しいかどうかは分かりませんけどね。 この問題に詳しい方がいれば、情報下さいな。 追記:今回の大会では、普通言葉を交わすことが出来ないほどのVIPと交流できたのが面白かったです。あの先生の奥様がオペラ歌手だったとは…知りませんでした! 写真は農学部の某所です。セキュリティ関係の仕事で立ち入りましたが、いかにもメカメカしい! 今回セキュリティ関係の仕事をやらせていただいたのですが、同じ大学内で棟によってセキュリティ・システムが違うのですよ。どれもSECOMと契約しているのに、手順が全部違うので正直ややこしかったです。 |
by vla_marie
| 2006-11-13 02:54
| なるほど
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