【仮説】もし、代理出産を最高裁が認めたならば… |
研究室にて学会で入手した資料の精読&整理をやっています。PCのデータベースに登録して、年代別に分けた箱に入れていきます(テーマ別に分類すると、どうしても「その他」ってのが多くなるので嫌なのです。ザッハリッヒに「年代別」で斬るのが楽では?)。 ラボ用にMac miniを購入しようと近所の(と言っても自転車で20〜30分)デオデオに視察に行きました。本体はあったのですが、「当店では光学ドライブの変更、HDDの換装、メモリの取付けは致しておりません。」とのこと。 メモリの増設ができなければ実用的ではないのでここでの購入は諦めました。アカデミック割引を期待してApple store for Educationか、大学生協を通して買った方が良さそうです。 資料整理用にFileMakerも欲しいのですが…銭が無いですな。 さて、タイトルの件は今日のF氏との会話の中から出たネタ。研究室で誕生会があったので、そこでちょろっとだけ話題に出たものです。 「もし、最高裁が代理出産で生まれた子を、依頼者夫婦の子とすることが可能であると判断すれば、どうなるか?」これについては既に色々論説がありますが、今日話題になったのは、「所謂”偽装結婚”で不妊カップルを形成し、その後代理出産の手続きを経て実子として迎えた子があった場合をどうするのか?」というケースです。 民法上、婚姻意思の無い婚姻は”無効”とされていますが、上述のケースの場合、「婚姻意思はあったんだ。」と当事者は主張するでしょう。婚姻意思の存否を立証するのは難しいので、この点は学説間の論争があります。 但し、判例上は婚姻生活の実態(ex.同棲など)があることを持って、こうしたケースの婚姻の有効性を判断する傾向がありますので、上述のケースであっても、本人たちの主観的な婚姻意思が無いにも係らず客観的に見て同棲生活を送るような工作が為されれば…どうなるでしょうか?裁判所は婚姻関係を認めるのでしょうか?そして、当該カップルに対して、不妊カップルの生殖補助医療の一つになるかもしれない代理出産(契約・行為)を容認するのでしょうか? なんだか、これには問題があるような気がしますよ。 例えば、(民法の規定を大幅にいじるか、あるいは判例を大幅に変更しない限り、)裁判所から見て有効な婚姻に見える婚姻を為す→代理出産→子を得る→離婚+子の引き受けというコンボ技を使えば、事実上シングル・マザーでも代理出産を使えることになりかねませんが、これは生殖補助医療を婚姻カップルに限り認めようとする現行の政策から見れば、抜け道が用意されていることにもなりかねないのでは…。 もっとも、これと同様なことが生殖補助医療全般には言えますね。AIDを法的に容認し、整備するにしても、例えばシングル・マザーを希望する女性が不能の男性と偽装カップルを形成するようなケースをどう排除するのか、あるいは、排除しないのか? なんだか、えらいややこしいことになりそうです。 「判例変更によって代理出産許容?」との考え方もありましたが…、上述のことを考えるとそう簡単ではない気がします。 本来なら、生殖補助医療部会の議事録やら各種論文・判例が手元にあるので、それらをきちんと検討して書き込みしたいのですが…、ちょっと明日の準備があるので今日はこの辺で勘弁して下さい(間違いがあれば指摘してくださいな)。ではー。 |
by vla_marie
| 2006-10-30 21:00
| なるほど
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