オランダでは小児も安楽死が可能に |
3月5日付けの英Times紙によれば、オランダでは小児の安楽死を可能とするように規則改正(追加?)が行なわれるようですね(記事)。オランダと言えば、世界で初めて安楽死を法制化した国ですが、小児の安楽死についても先頭を切ることになるようです。 小児の安楽死についての議論について、オランダ国内で直接の原因となったのはシャノウちゃんという代謝性疾患(metabolic disorder)の患者のケースです。彼女はモルヒネの投与による所謂消極的安楽死によってヴァルハラの住人となったようです。ただ、この問題は他にも議論のあるところだったようですね。なぜなら、二分脊椎(spina bifida)や染色体異常(chromosomal abnormarities)等の重篤な疾患を患って出生した新生児に対しては、両親の同意の基で医師による処分が行なわれていたからです。 オランダ国内では医師の刑事訴追を避けるため、このようなケースは全て当局に報告されているわけではないそうです。日本でも同様のケースはあるはずですが、新生児刹乃至は新生児への治療停止としてきちんと統計が取れる形で報告が為されているのかどうか、疑問があります(産科医の方に聴いてみるか…)。 我が国では、安楽死そのものが認められていないことからも小児の安楽死の議論がすぐに生ずる状況にはありません。ただし、後者の新生児への治療停止についてはこれまでにも様々な倫理学的な検討が行われてきました。我々は主として、中絶の延長(あるいは代替物)としての新生児刹を考察しているような気がしますが、オランダでは安楽死との絡みでもこうした話題が出て来るんですね。興味深い。 |
by vla_marie
| 2006-03-06 07:35
| なるほど
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