『いのちの選択』 |
ときに、来月から臓器移植法が改正されますが、内容をちゃんと理解している国民はどのくらいいるのでしょうか?。 今回の改正は臓器移植に関心の無い一般の人に対しても、大きな影響を与えるものです(とりわけ、意思表示方式の変更)。そう、皆、無関心でいることが許されない改正内容なのです。 こうした中、制度紹介のパンフレット等簡易なものには記載されていない(記載されない)改正法の諸問題につき、極めて簡潔に解説・問題提起をする小冊子がこの5月に出ました(bk1)。2010年刊。 この小冊子は、もともと改正に(特にA案による改正に)慎重であった生命倫理会議が編集していることもあり、内容的にベクトルがかかっていることは否めません。 とりわけ、家族の臓器提供を拒否しなかったことを後悔している女性への聞き取りについての第2章(pp.49-59)は…今回の改正への慎重ないしは反対姿勢があってこそ、これだけ頁が割かれているのでしょう。 しかし、これまで臓器移植について報道でしか情報を得ていなかった人ならば、おそらく未だ知らないであろう内容について、ここまで網羅的、平易、かつコンパクトに纏めてあるものは無かったと思います。 たとえば、脳死を新しい死の基準とした背景、ラザロ徴候、ダンラップ・ケース、米国の小児ドナーの多くが虐待児であること…などなど。 ゆえに、新聞等からの情報でしか改正法に接していない人には「え!そうだったの!」と驚く記述がちらほらあるかと。 ということで、第1章だけでも、手に取って読んでおかれることをお薦めします。 かくいう私も、仕事帰りに読んだわけです。ちなみに、立ち読みを推奨しているわけではありません。 |
by vla_marie
| 2010-06-04 23:55
| 本
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