インドネシアに臓器売買闇市場?+『死を処方する』 |
16日の朝日新聞にそのような内容の記事が出ていました(朝日)。紙面では5面に出てます。 この記事によれば、売買の申込先と施術地が別だったりするようで、現地当局も取締に苦慮している模様。シンガポールが…記事では施術地として挙がってますが。 来月、安楽死絡みで報告する流れなので、久しぶりにキヴォーキアン(Wiki)の著書を読みなおしです(bk1)。1991年刊(邦訳1999年)。 日本ではキヴォーキアンの主張は、どちらかと言えば安楽死の問題に絡んで扱われてきた感があります。確かに、彼が司法の場で問題となった事案は安楽死の問題でしたし、日本にも同様の裁判例があったり、またさらには日本尊厳死教会があったり厚労省が終末期医療に関する指針を出していたりするわけで…いうなれば問題関心の共通項があるわけです。 しかも、本書が邦訳された1999年というのは、オランダ(2001年)やベルギー(2002年)で安楽死法制化が進んでいることが日本のメディアでも紹介されるようになってきていた頃だったハズ。その意味でも、安楽死の側面が特に注目されたのは当然かもしれません。 実際には、彼は、同意を得た死刑囚へ人体実験を行なうことも古くから提案していたわけですが、こちらの方の問題は当時としてもまともに扱われなかったし、今日においてもあまり議論となっていないような気がします。これは問題関心が一致しないというか…そもそもそれを取り上げることがないのでしょう。むしろ、そんなことを口にしただけで、社会的に抹殺されそうですよ。本来的には…こちらが彼のオリジナルのアイデアだった様に思うのですが。。。 もっとも、死刑囚からの臓器摘出の問題については、現在もホットな話題であるのですが。 以前、A先生が「真性の同意が得られない」ことを理由に死刑囚からの臓器摘出を否定したところ、別の先生から「同意があっても死刑囚からの臓器摘出は許されない」旨の反論をされていたことを思い出しましたよ。 この対立は結局、(一般人でさえも被験者になるには同意を必要とするのである以上)同意以外の部分で、死刑囚に特別の理由を見出すかどうか…というところが争点のような気がするわけです。 うーん。これは、一般人に対する治験と末期患者に対する治験とで、後者に特別のハードルを課すことが肯定されるや否や、またその理由は何ぞやという問題と…パラレルに論じることは可能…なのかな? |
by vla_marie
| 2010-02-16 20:53
| なるほど
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