『マインド・ウォーズ』+メモ |
前のエントリーでも紹介しました大御所の著書(bk1)。2006年刊(邦訳2008年)。 同書では、薬物や電子的手段によって脳に人為的強化を行ったり、あるいは脳と電子機器を接続することで身体的限界を超えるオペレーションを可能としたり…こうした技術が日々開発されていること。そのスポンサーはDARPA(米国防総省国防高等研究計画局)であること。こうした脳神経系の研究に伴って倫理的問題が生じること…が、実際の研究成果を具体的に叙述することで語られます。 ところで、この本は問題の喚起のために書かれた節が強く、特に解決策は示されていません。 むしろ、著者はこうした技術が軍民共用(デュアル・ユース)であること、技術研究がオープンであることから内容の真正さが確認でき、また技術利用の監視も行い易いことなどから、割と楽観的な見通しを持っているようです。むしろ、民間への研究のアウトソーシングもOKだと…学会ではコメントしていましたし。 科学技術の軍事利用は、つと日本においては意識されにくい問題のようにも思いますが、諸外国ではむしろ軍事目的開発・利用の是非の議論は盛んかと。日本が平和主義のもと、 P.S.訳注が充実しているのも評価して良いポイントだと思います…と追加しておく。 学会に行っていて気づかなかったのですが、射水市民病院の呼吸器外し事件の件。富山地検の方では、医師(2名とも)不起訴の方向だと報じられています(読売)。 たしか、遺族の求めに応じてレスピを外したという話で、昨年書類送検された時点で既に不起訴処分ではないかと言われていましたが…やはり。 |
by vla_marie
| 2009-11-19 04:03
| 本
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