臓器移植法改正法案(A案)成立 |
13日、午後の採決の結果、移植法改正案はA案がそのまま通りました(IBTimes、中日新聞(14日)、(13日夕刊)、毎日(13日夕刊)、毎日(13日夕刊2)、朝日1、朝日2、時事、産経、読売)。他記事多数。 以下、朝日記事から引用。 「提出者は「脳死判定を拒否する権利を家族に認めており、一律に死を規定するものではない」(河野太郎衆院議員)と説明するが、「脳死を一律に人の死」としているとの批判が消えなかった。」 実は、修正A案はこの部分を法文上明記することが目的であったとも思われるのですが、国会の日程上の問題もあってA'案ではなく已むなくA案に投票した議員も居たという報道もありました。 なお、A案は「本人の意思が確認できない場合に遺族の承諾で提供を可能とする」ことのみを、今後のルールとして採用するわけではありません。現行法6条1項の本人の生前の書面による同意+遺族の拒否がないという要件も法文上には残されます。これに付加する形で、本人の意思が判明しない場合を盛り込むのがA案です。 この点、移植法に詳しくない方でも簡潔にわかりやすく違いを見せるためか、報道等ではかなりデフォルメされた記事が多いようです。 今後、本人意思があることが原則なのか(改正案でいう6条1項1号)、あるいは、本人の意思がなくとも提供できることが原則なのか(改正案でいう6条1項2号)、移植法の原則/例外の関係について色々論考が出そうな気がします。 おそらく、原則は本人の意思表示があること(承諾にしても拒否にしても)だが、例外的に本人の意思がない場合は遺族の承諾で摘出が可能と、提案者の皆さんは見ているのでしょう。 ただ、むしろ論理整合性をはかるなら、本人意思はそもそも要らないのが原則で、もともと臓器の提供に関しては遺族に決定権がある。なお、例外的に本人意思のある場合は、遺族は承諾という積極的意思表示をする必要がない、と捉える考え方もできそうです。ただ、これだと角膜・腎臓移植法の規定の仕方に似てきますが…。 とはいえ…施行規則が定まらないとまだなんとも言いにくいです。 |
by vla_marie
| 2009-07-13 21:33
| なるほど
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