臓器移植法改正で自公が一致(追記 |
12年前に臓器移植法が成立した時分のことはほとんど覚えていないのですが、当時、「今国会では通らないだろう」と言われていたものが急転直下で成立したと言われています。 この現行の臓器移植法について評価は色々あるのですが、移植推進派からは1).小児臓器移植ができないこと、2).移植臓器が不足していることが採り上げられ、改正せよとの声があがっていました。そこに、近時WHOが海外渡航臓器移植を規制する動きを見せていることから、今国会での移植法改正話が出てきたという流れです(毎日1、毎日2、朝日1、朝日2)。また、この改正に絡む患者団体の動きも報じられています(産経)。 追記:実際に2歳児の心臓移植受け入れが拒否された事例も報道されています(読売)。正確にはこれを”受け入れ拒否”の事例としてしまって良いのかどうかには疑問もありますが。 そもそも臓器移植法には年齢制限の条文はありません。ただ、厚労省の運用指針で15歳未満の提供同意ができないことになっているわけです。 実は、この年齢制限は、世論の動向を受けて盛り込まれたという経緯があります。 それは、93年に脳死・臓器移植各党協議会が作成した「臓器移植法案の骨子」に「本人の臓器提供意思が不明な場合、家族が書面で承諾する。家族は本人の生前意思を忖度した判断が求められる」とあったことに対して、世間から反発があがったという経緯です。 「小さな子供が臓器提供の意味を正しく理解し、自らの判断で意思表示カードに記するのは困難だ。だからといって、いくら肉親でも、親の判断で子供に代わって臓器提供を承諾することが許されるのか。それは子供の人権を侵害することにならないか。」(『法律はこうして生まれた』( 中公新書,2003年), p.14)。 臓器の不足それ自体は、移植の要件を変更する”理論的”根拠には成り得ないでしょう。特に、推定同意制度の採用(従来の立場からの変更)には充分な理論的基盤が欲しいところですが、立法府はその準備がありやなしや? |
by vla_marie
| 2009-04-15 19:35
| なるほど
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