『中国臓器市場』(追記 |
帯に「死体を見たら金と思え!」と物騒な文句が書き付けてあります。 ずいぶん前に入手した中国の臓器移植ネタの本(bk1)。2008年刊。時事通信の記者さんの書かれたルポで、似たような本は最近多いです。 ただ、中国国際臓器移植支援センター(本家HP消滅?)だけでなくて、海外医療臓器移植支援ボランティアセンターのことについても記述がありました。(最終更新:27 février 2009) 内容的には、いかに法律があろうとも「カネ」と「コネ」があれば、死刑囚移植もなんとかなってしまう中国の実態を報じたもの。ごく最近の(2002〜2008年)事例が中心です。法院(裁判所)・検察・公安(警察)が全て共産党の下にある中国で行われる死刑囚移植については、既にあれこれ学術誌でも紹介はありますが、一般の日本国民はあまり知らない世界だと思います。 結論としては、医療関係者の拝金主義と、大きな経済格差が臓器市場を支えているという分析です。また、本書では、臓器移植関係の中央の法令・通達も地方では守られていないようなことも書かれていて(p.77)、なるほど興味深いです。 ちなみに、第3章の中国の臓器移植の歴史(p.108以下)の記述、及び、巻末の関連法規の一覧などは、これからこの問題を勉強する方には参考になるかも。 追記:産經新聞に書評が出ていました(産経)。 ニュースを見ていたら、ネットの中傷カキコに対する東京高裁判決のことを報道していました(毎日、読売)。ネットでも名誉毀損の成立要件は変わらないのか…ふむ。 さて、なんか…膨大な資料の海に溺れています。処理しきれる自信が全く無いです(鬱。 |
by vla_marie
| 2009-01-31 23:35
| 本
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